0087 アローン・イン・ザ・ダーク

〜新宿トーアにて〜
C・スレーターの熱演が憐れ

昨夜の雷雨から一転、スカッと爽やかな一日だった今日、“ゲーム世代のスピルバーグ”、“ハリウッドの反逆児”でおなじみのウーヴェ・ボル監督の「アローン・イン・ザ・ダーク」を観てきました。

今日観た新宿トーアは330人くらい入る映画館なのですが、私の観た回の観客数は10人、そのうち上映途中で出て行った人は4人もいました(マジです:笑)。ショッキングな映像、恐ろしすぎる演出がその理由ではないことは皆さんもお解かりですよね。今まで映画館で寝るということが無かったのが私の自慢でしたが遂にこの「アローン・イン・ザ・ダーク」では5分くらい寝てしまうことに成功。その寝ていた5分間に面白いことがあったかも知れませんが、別にいいや(笑)。それぐらいある意味もの凄いデキでした。とにかく眠かったなあ、アクション映画だったのに。

案の定、今回の「アローン・イン・ザ・ダーク」も無駄なカット割や流れに沿ってないラブシーン、画面に全く合っていない選曲、どこかで観た場面を中途半端にパクる(しかも駄目な演出で)、「後々何かあるのかな」と思わせといてやっぱり何も無い無駄な意味深シーンのオンパレード、そしてなんといってもストーリー・構成が映画として成立していない駄目っぷり。本当にほとんどの方は観る必要の全く無い映画だと思います。

しかし、3人目の観客が帰った時何だか知らないけど私の脳に衝撃が走ったんですよね。「毎年こいつ(ウーヴェ・ボル)の駄目映画を1、2本観続けたい!映画館で!」と!!

はっきり言ってウーヴェ・ボルは映画監督としての才能は全く無いと思うんですよ。映画製作の勉強も多分あまりしてないですし(プロフィールには勉強したと書いてあるけど多分ほとんどやってないでしょ)、初めて本格的に撮った作品が35mm作品というところも金持ちのボンボンさ特有のバカさ加減を出しています。

でもそんな才能の無い人の駄目な映画を自主映画上映会ではなく普通の映画館で金を払い“駄目な映画と判ってて観る”っていう行為が疲れきって荒んだ心の私にはカッコ良く思えてきたんですね。40代の親父たちがLEONを読んでちょい不良(ワル)に憧れるようなもんですよ(ちょっと違いますかね?)。金を払ってますから文句も言いたい放題ですし、今まで普通と思っていた映画もこいつの映画に比べるとかなりマシに見えるという副作用も生じますし(笑)。何よりこんな評判の悪い映画をわざわざ日本の映画館で公開するという配給会社の快挙(暴挙?)を応援してやりたくなるじゃないですか!ウーヴェ・ボル万歳!!ウーヴェ・ボル最高!!!ウヒヒヒヒヒ!(<壊れちゃったかな)

とりあえず今後もウーヴェ・ボルの映画は観続けていくことを決意しました。ですがホントに貴重な時間を無駄にする映画だと思いますから皆さんは金払ってまで観る必要はありませんからね、ちゃんと言いましたよっ!