0031 クラッシュ

日比谷シャンテ・シネ1にて〜
透明マント欲しい!

今日は元々「クラッシュ」を観に行く日として2週間も前から予定しておりました。公開日から4週間くらい経っているし、ガラガラ状態で観れるだろうと思っていたら昨日発表のアカデミー賞で作品賞を取りやがった。ホントにがっかりしましたよ、アカデミー賞を取った事。間違いなく混むじゃないですか。私は混雑した映画館が大っきらいで大っ嫌いでダイッキライなのです。ですから公開して1週間目は絶対観に行きませんし、毎月1日の映画の日にも劇場に足を運ぶことはまずありません。くつろいで観たいんですよ、く・つ・ろ・い・で。アカデミー賞を取ったことでロングランにもなるでしょうし、公開する映画館も増えるでしょうから後回しも考えたのですが、気がつくと日比谷に降り立っていました。

劇場自体は東宝グループということで小奇麗な感じなのですが、いかんせん座席が狭い!こんな狭い座席で両隣りにムサい男どもがやってきてしまったら、ああ…ドリームズカムトゥルー・・・悪夢は現実となりました。右にはでっかいオヤジ、左にもでっかい学生さん、しかもほのかにニンニク臭が。両隣りに人がいる状態なんて何年ぶりだろう…。また座席が狭く両隣りにも観客がいるおかげで足も組むことはできません。お尻が痛くなることを覚悟しニンニク臭の中、上映開始となりました。

で「クラッシュ」。映画のクオリティーはなかなか高いです。あるカージャック事件とそれを取り巻く十数人の登場人物のエピソードが交差しながら同時進行していく群像劇ってやつなのですが、普通だったら取りとめもない、気にもしないエピソードの数々をそれぞれうまく絡ませながら混乱はさせず、一つのテーマとしてまとめるその作り方は見事。IQ15の私でも混乱無くストーリーを楽しむことができました(ドン・チードルとウイリアム・フィットナーのやり取りはイマイチ分かりませんでしたが)。

確かに良い映画だとは思います。がしかし、「アカデミー賞を取った映画だから観に行こう」と出かけるのには待ったを掛けたいですね。というのもこの映画を100パーセント理解・共感できるのはアメリカに住むアメリカ人のみであるということ。日本人は良くて9割、ほとんどは6〜7割といったところではないでしょうか。「フォレストガンプ」や「フィールドオブドリームス」も同じと言えます。

この作品の最大のテーマというのは「悪の中の善、善の中の悪。この2つは必ず衝突(クラッシュ)するが、お互い“理解”という次のステップに進む為にはこの衝突が必須。時にそれが嬉しい結果にも悲しい結果にもなるが」というようなことだと思う。で、このテーマに下地を作るのがアメリカの人種問題ってヤツだと思うんですよ。この人種問題というのはやはり外国人が増えてきたとはいえ、まだまだ日本人には理解・共感できるものではないと思います。「フォレストガンプ」や「フィールドオブドリームス」も確かに良い映画だと思うんですが我々日本人はその背景・歴史に共感まではできませんよね。そういうことだと思うんです。

まあ、うまく伝えられないのが歯がゆいですが「良い映画であることは間違いないありませんが“アカデミー賞”という権威に頼ってまで観に行く映画ではないよ」ということです。

生意気言ってすいません、明日から「Vマドンナ大戦争」を毎日観ることにしますので許してください。