0025 ナイト・オブ・ザ・スカイ

〜有楽座にて〜
寸止めプレイ映画


有楽座。ここって以前“ニュー東宝シネマ”と呼ばれた映画館ですよね。私が少年時代、兄に連れられて東京で初めて映画を観た劇場でございます。「超時空要塞マクロス・愛おぼえていますか」でした、確か。いやー随分と小奇麗な映画館になりましたね、ここは。例のごとくシネコンライクな造りですが。でも気に入りました。

“フランス版トップガン”という紹介方法はいかがなものかと思います。フライトアクション映画は何でも「トップガン」と形容するのは馬鹿丸出しですねえ。判りやすいっちゃ判りやすいですが。トップガン自体20年前の映画ですから今これだけCGや特殊撮影の技術が向上するとやっぱり“迫力”という点では少々物足りないと思うんですよ、私なんかは。そんな私も「トップガン」以降フライトアクション映画はそれほど観ていませんが、今のところドッグファイトシーンで度肝を抜いたのは「エネミー・ライン」ですね。うちには5.1chの安物サラウンドシステムがあるのですが、これとプロジェクターで鑑賞すると今でもドッグファイト(いうよりも地対空ミサイルに追われるだけですが)の場面では息を呑んでしまいます。要は何を言いたいかというと「トップガン」はフライトアクション映画の新たな基準となったエポックメイキングな作品ですが、今のフライトアクションと対等ではないヨということです。だからなんでも“〜版トップガン”という紹介は止めようという啓蒙運動でした。

閑話休題。私はフランス娯楽映画と相性がかなり悪いのですが、この作品はなかなかどうしてヒドくは無いです。楽しめます。ストーリーはちょっと???な部分もありましたが判り易く、テンポよく進みます。ただ、この映画の肝であるフライトアクションがやや消化不良気味。もちろん「トップガン」とは比べ物にならないくらい迫力もありましたし、実写とCGの組み合わせも違和感が無く、画の見せ方やカット割も文句ありません。只、どのフライトアクションシーンも最後の盛り上がりに欠けるのです。なにかこうさんざん盛り上げるだけ盛り上げてフィニッシュでインポテンツになっちゃったみたいな感じ。これは他が良いだけに残念な点でした。
続編を匂わせるラストでしたので2が出たら観に行っちゃうかも。