0040 ヒストリー・オブ・バイオレンス

〜東劇にて〜
パンフは硬い


今日は東銀座にある東劇に「ヒストリー・オブ・バイオレンス」を観に行ってまいりました。私にとって東劇は想い出溢れる映画館。というのも一人っきりで初めて映画を観に行った映画館が東劇なのです。当時小学生で冬休みにお年玉の一部を持って観に行ったのが「若き勇者たち」でした。観終わった後、ストーリーの悲劇的な結末はすっかり忘れ、ハインド(もどき)にRPG7をブチかますシーンばかりが印象に残り、新聞紙でRPG7を作ったものです。
そんな想い出深い映画館“東劇”ですが、ここは松竹経営の映画館ですね、確か。松竹経営の映画館のイイところは手頃な値段でおにぎりセットが売っているというところ。これがなかなかヨイ!食事としては物足りないのですが、小腹を満足させるのにはピッタリのfoodです。新宿ピカデリーなどでも扱っていますのでポップコーンに飽き飽きの方は是非どうぞ。

という訳で「ヒストリー・オブ・バイオレンス」です。なんかこの映画のヴィゴ・モーテンセンの役って高倉健がやっても通用しそうだなあと思ってたらパンフにも書いてあった通り「夜叉」という映画で同じような役をやっていたんですね、健さん。とある田舎町で家族とつつましく暮らす男。だがその男の過去は凄腕のヤクザ者だった…というお話。

人体破壊描写が凄い!と騒がれていましたがそんなに顔を背けるほどの描写では無かったです。確かにグロいシーンはあるのですがチラッと見せるだけ。ですがそれが人を殺すとこんな惨状になると脳に即座にインプットされて逆に効果的でした。ダラダラとグロいシーンを見せ続けると、創りモノ臭くなりがちですから監督のデビッド・クローネンバーグのイメージの伝え方はウマイと思います。

またセックスシーンも興奮モノでしたね(笑)。40過ぎのオバはんのチアガールコスプレで69。69するラブシーンなんて映画で観た記憶が無いなあ。それと階段での激しいセックス。とにかくゴリゴリと背中が痛そうでしたね。このシーンで隣の席の人が背筋を伸ばしたのを私は見逃しませんでした(笑)。

この映画は「ミュンヘン」と同じように“暴力の連鎖”をテーマにしているような気がしたのですが、そんなテーマよりもヴィゴ・モーテンセン演ずるジョーイ・キューザックという男の圧倒的な戦闘力の方が気になりましたねぇ。もう凄い強いんですよ、セガールとタメ張れるんじゃないかっていうくらい。いっそのこと家族は捨て、新しくこの主人公で映画を一本作ってくれないかなあと思った程でした(笑)。

ストーリーや台詞も計算されている作りですし、観る価値のある映画であると思います。ラストのあの終わり方も凄く良かったですね。

パンフは千円しますが、ハードカバーで内容もなかなか良く、買っても損はしないかもデス。