0051 東京物語

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空気枕は使ったの?

もう絶対観るつもりなんかは無かったんですよ、小津安二郎の映画。今まで一本も観たこと無かったし、観ようとも思わなかった。私は娯楽映画至上主義ですから「そんなありふれた日常を綴った映画なんか観てどうすんの?」と常に疑問でした。
なのに何故観ることになったのか?それは「日本沈没」のリメイク版が公開になるのでオリジナル版の方を観ておこうとビデオ屋に行ったらそれが貸出し中。隣の棚をみたら小津コーナーがあって興味本位で、ほんの出来心で借りちゃったってヤツだったんですねぇ。文句を言うならとりあえずは観てみようかと。

ストーリーは広島の尾道から二人の老夫婦が東京で暮らす子供たちの家に遊びに来るが、子供たちはそれぞれ仕事で手一杯。実の子らに軽く邪険に扱われる老夫婦に唯一優しく接するのが戦死した次男の嫁だった…というような内容です。ま、ホント、どこにでもありそうな家族ドラマです。

どうやら小津映画の特徴らしいのですが、ローアングルからカメラを固定して撮る撮影手法と会話のシーンでは必ず使われる正面向きのショットの連続というのが慣れなくて最初は辛かったですね、観るの止めちまおうかなと思ったくらい。これも一時間ほど我慢したら慣れてきたのですが、それでもやっぱり136分という収録時間はちょっと長かったかなあ、何せ淡々と進む映画ですから。

終盤の原節子笠智衆のやり取りはなんとなく(本当になんとなくですけど)「あ、いいなあ」とは思いましたけど、何回も観たいとは今のところ思いません。学校の現代史などで習った“核家族化問題”などをテーマとして取り上げたのだと思いますが、もう仕様が無いと思うんですよね、ああいう風に子供たちがなってしまうのって。私は常日頃“生活が豊かになると必ず何らかの代償を払わなくてはならない”と悲観的に物事を見ている人間なので…。これも私がもう少し歳を取ったら違う感じ方になるかも知れませんけどね。

とりあえず、この映画だけでは“小津映画の素晴らしさ”というのがよく分からないので、あと2,3作は観てみようと思います(そのうちですけど)。

でもやっぱり「映画は爆発とか銃撃とかがドカンドカン・バンバンするヤツが一番イイなあ!」と思ってしまう私の脳は中学生レベルですね。すいません。