0079 デッドライン 

〜浅草中映劇場にて〜
タイ版“ヒート”映画

前から行ってみたかった映画館“浅草中映劇場”で映画を観ることが遂にできました。
浅草中映劇場はちょっと前の映画を2本立てで公開している老舗の映画館です。昭和がそのまま残ってる映画館で隣がWINSということもありオヤジ度100%。ワンカップを持って飲みながら観ているオヤジ、豆菓子を永遠に食べ続けながら観ているオヤジ、鼻から寝ているオヤジ、ブツブツ独り言を言っているオヤジと様々なスタイルで鑑賞しているオヤジたちを目撃。オヤジと言ってもほとんど60歳以上の方ばかりで若い人、女性は皆無でしたね。神経質な方ならNGかも知れませんが私は「そういう映画館だ」と割り切れていましたのでとても楽しく鑑賞することができました。値段も安いですし今後見逃した映画があったら是非ここで観ようと思います、気に入りましたよ、この映画館。

2本立ての一本目はタイ製アクション「デッドライン」。

かなり前に同じタイの本格ポリスアクションというフレコミで公開された「デッドアウェイ/バンコク大捜査線」という映画を観に行ったことがありますが、それに比べてシナリオやアクション、画の撮り方などかなり進化したなあと感じさせた映画でした。

警察のテロ犯罪捜査班と軍が画策したテロ部隊との戦いを描いたモノですが、タイならではの特殊な政治背景や通貨危機といった時事ネタを絡ませており、単純なアクションじゃないよという製作者側の意気込みは感じ取れました。ま、ハリウッド等のソレに比べるとまだまだ感は否めませんが。

アクションといってもガンアクションのみの映画でしたが、これもなかなか凄いモノがありましたね。終盤警察の捜査班とテロ部隊との銃撃戦が繰り広げられるのですが、その舞台がバンコク市内のど真ん中で行われるんですよ。そのシーンは「ヒート」のバンコク版といっても通用するデキでなかなかの迫力はありました。ただ、臨場感を出すためだと思うのですが、手持ちカメラでの撮影を多用したためブレの画がかなり多く、何をしているのかが分かりづらいという点も目立ってしまったのが残念でしたね。

正直“面白かった”とまでは言えない映画でしたが「トム・ヤム・クン!」といいこの映画といい着実にタイの娯楽映画は力をつけているなあと改めて感じた映画でした。